32軍壕、24年度に基本計画 文化財指定へ考古学的調査 保存・公開へ検討委が「ロードマップ」


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 沖縄県は27日、第32軍司令部壕保存・公開検討委員会の平和発信・継承グループの第2回会合を那覇市の自治研修所で開き、知事への提言書に添付する新たなロードマップを示した。「基本計画」を2024年度に策定し、文化財指定に向けた考古学的調査を進める方針を初めて示した。

 提言書は、2月の検討委員会で詰めの協議を行った上で3月に玉城デニー知事に手交する。ロードマップによると、県は提言を踏まえて23年度に基本方針を策定。24年度に「有識者委員会」を設置し、具体的な整備内容を定めた基本計画を策定する。第1坑口と第5坑口の整備時期は従来通りで、第1は26年度、第5は25年度までの公開を目指す。考古学的調査は24年度に予定する。

 考古学的調査は第2・3・5坑道では24~26年度に予定。未発掘の第1坑道でも26年度以降に見据える。県の担当者は、第1坑道の調査を23年度以降も継続する方針を示した。委員からは、ロードマップに入っていない第4坑口やシャフト(縦穴)の位置を特定する調査の要望も出された。

 第5坑口周辺用地について、県は昨年11月に売買契約と所有権移転を済ませ、安全対策のためフェンスを設置する予定だと説明。委員からは、遺骨収集の必要性を指摘する意見も出された。

(中村万里子)