「やりたい放題」安全性不透明なまま、正式な説明なく オスプレイ飛行再開 沖縄


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宜野湾市大謝名方向から飛来し、米軍普天間飛行場に着陸する海兵隊のMV22オスプレイ=8日午後4時54分、宜野湾市内(ジャン松元撮影)

 クラッチ関連の不具合が起きやすいとして、米軍が部品交換のために一時飛行停止を発表していた垂直離着陸輸送機V22オスプレイを巡り、米海兵隊は8日、普天間飛行場周辺や那覇市内上空で、飛行を再開させた。一方、普天間飛行場に常駐する24機が部品交換の対象となるのかについて、米海兵隊は「運用上の理由から公開できない」として、明らかにしていない。沖縄県内で飛行する機体の安全性が不透明なまま、県や自治体の懸念は高まっている。

 オスプレイの不具合はプロペラとエンジンをつなぐクラッチが離れ、再結合する際に衝撃が発生する現象。不具合を解消するために、エンジンの動力をローターに伝える「インプット・クイル・アッセンブリー」というクラッチ関連の部品について、一定の使用時間を経過した全ての機体で交換するとしている。

 だが、県によると、これまでに米側や沖縄防衛局から「一定の時間」がどの程度なのか、普天間の常駐機の何機が対象になるのかなど、正式な説明はないという。米軍発表後の6日と7日は、普天間飛行場のオスプレイの飛行は確認されておらず、普天間に常駐する機体でも、部品交換などの対応がとられていた可能性もある。

 8日にオスプレイが飛行したことについて、県関係者は「(飛行停止の)当該機だったのか、部品を交換したのかも分からない。やりたい放題だ」と困惑の表情を浮かべた。県は沖縄防衛局からの追加情報を待った上で、今後の対応を検討していく構えだ。宜野湾市も沖縄防衛局を通じて、米側に不具合の原因究明と安全管理の徹底を申し入れており、引き続き情報提供を求めている。

(新垣若菜、知念征尚、池田哲平)