アジア地域での戦争を回避し、平和を考えようと名桜大で7日夜、中国や台湾などの留学生を交えたトークイベントが開かれた。中国、台湾、香港からの留学生ら5人と名桜大の学生など計19人が参加。「台湾有事」を起こさせない方策などについて話し合った。
イベントは、名桜大の田代豊教授や与那覇恵子元教授らが、若い世代がアジアで起きている問題の現状や関係について、意見交換する場をつくろうと企画した。日本のニュースで「台湾有事」が報じられていることについて、中国の留学生の方婧怡さん(23)=4年=は「台湾との統一は望んでいるが、武力で戦争を起こすことは望んでいない。いまにも戦争するかのように報じられているのを見てびっくりした。挑発している人がいるのだと思う」と話した。
香港出身の蔡詠康さん(27)=4年=は「ニュースが真実か判断しづらい。日本は米国を守っている感じがする」とぽつり。沖縄側の参加者は「日本がウクライナ侵攻を利用して『台湾有事』を目前としているのはやり過ぎだと思う。台湾からするとどう思うか」と質問。台湾の留学生の王鵬銘さん(20)=3年=は「前から台湾では伝えられていることであまり考えていない。戦争が起きたら沖縄の米軍が助けてくれるとは思う」と話した。
「台湾有事」を起こさせないことについて、蔡さんは中国による香港の民主化デモへの弾圧に触れ、「戦争は起きてほしくないが、利益や権力がある限り起きると思う」。中国の方さんは「一方が武器を持てばエスカレートする。永遠の平和は夢だが素晴らしい夢。政府間の対話も必要だと思う」と話し、名桜大の学生は「若者は対話する場があまりない。違う国籍の人と関わる場をつくることが大事では」と話した。
参加した3年の栃木眞子さんは「対話と言っても国が変わると思えないから意味があるのかな、と思っていた。きょう話して歴史も知れて、対話の大切さが分かった」と話した。
(中村万里子)