沖縄の高級魚アカジンとマクブ、釣り人にも漁獲サイズ制限 区域は県全域に 罰金の対象にも


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写真上がアカジン(スジアラ)、下がマクブ(シロクロベラ)

 漁獲高が減っている沖縄県産高級魚のアカジン(スジアラ)とマクブ(シロクラベラ)の数量回復のため、沖縄海区漁業調整委員会(上原亀一会長)は4月1日から、漁獲サイズ制限区域を県全域に拡大する。同時に、漁業者だけでなく、遊漁者(釣り人)も含む全ての人を対象とする。全長40センチ未満のアカジン、全長35センチ未満のマクブは漁獲・所持・加工・販売の全てを禁ずる。違反を繰り返した場合には、漁業法違反で罰金や懲役の対象となる。

 これまでの制限では釣り人の漁獲は対象外だった。自主的に資源管理に取り組んできた漁業者との不公平感があることから、対象を拡大した。

 県によると、2010年度の釣りによる漁獲量推計はアカジンが18トンで、漁業による漁獲量の32.4%に相当する。マクブは2トンで同6.3%に相当する。20年の調査では遊漁船によるアカジンの漁獲量が、沖縄本島西側だけで14トンに達すると推計され、釣りによる漁獲割合が増加している可能性がある。

 上原会長は「資源の回復のためには漁業者による漁獲の制限だけではなく、遊漁者も含めたみなさまのご協力が必要だ」と理解を求めた。今後、釣具店や遊漁船にチラシを配布するなどして、周知していく。

 アカジンとマクブの漁獲サイズ制限は03年から、北部6漁協が自主的な管理として先駆けて実施した。その結果、北部海域では2種とも顕著な資源の増加傾向が見られるなど効果が得られた。

 15年に海区漁業調整委員会が委員会指示として制度化。17年、19年、22年と制限区域を拡大してきた。

 県の崎原盛光農林水産部長は「資源が回復することが漁業者の所得向上につながり、県民がおいしいアカジン・マクブを将来的にも味わうことができるようになる」と話した。

(玉城江梨子)