沖縄県の我那覇病院事業局長が退任へ 後任に本竹氏起用 任期3年残し異例の人事の理由は


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 沖縄県の玉城デニー知事は10日、特別職の病院事業局長に元県立中部病院長の本竹(もとたけ)秀光氏(68)を充てる人事を発表した。発令は4月1日付。2018年に就任した現職の我那覇仁氏は22年4月1日付で再任されたが、任期を3年残し、異例の交代となる。

 県人事課によると、2月上旬に我那覇氏から「一身上の都合」として、退職届が提出された。我那覇氏は琉球新報の取材に対し「知事と相談の上で決めた」と述べるにとどめた。

 我那覇氏を巡っては、再任が発表された昨年2月、県公務員医師会と県立病院長から、県に対して人事の再考を求める要望書が提出されていた。

 さらに、八重山病院の院長らを含む幹部3人が、医療人材の不足を背景とした透析医療の逼迫(ひっぱく)などを理由に、本年度末に退職する意向が示されるなど、病院現場と病院事業局との間に意見の食い違いも生じていた。玉城知事は10日の定例会見で、病院事業局に対して「現場に赴いて協議会などを開催し、状況の報告や把握などに取り組んでいただきたい」と述べていた。

 新たに病院事業局長に就任する本竹氏は1954年11月14日生まれ、与那国町出身。大阪大医学部卒業後、中部病院研修医を経て、85年5月に県技術吏員に採用。八重山病院副院長、中部病院長などを歴任し、2020年退職。退職後の20年7月から、県立中部病院ハワイ大学卒後医学臨床研修事業団のプロジェクトディレクターを務めた。

(池田哲平)

本竹秀光氏
我那覇仁氏
沖縄県庁(資料写真)