「罰や自己責任やめて」依存症の理解へ 沖縄・浦添市でフォーラム


社会
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「依存症は自己責任ではない」と説明する佐久間寛之さん=4日、浦添市のアイム・ユニバースてだこホール

 依存症への理解を深めることを目的に第22回アディクションフォーラム(県立総合精神保健福祉センター主催)が4日、浦添市のアイム・ユニバースてだこホールで開催された。3年ぶりの対面での開催に500人以上が参加した。

 依存症診療部門がある国立病院機構さいがた医療センターの佐久間寛之院長が「みんなで考えよう依存症~依存症を正しく知ってあたたかく支える」と題して講演した。

 依存症になる要因には、虐待・厳しい養育といった子どもの頃の逆境体験や遺伝などがあるとし「自己責任や本人に罰を与えて改善しようとするのはやめましょう」と呼びかけた。
 依存症の人は周囲の理解不足や罰せられた経験の中で、孤立感や他者への不信を募らせていく。そのため治療や支援では、非支配的な関係をつくり、安心できる環境の中で「いかに本人を理解するかが鍵だ」と話した。回復へのイメージを持ってもらうため、回復者のいる自助グループに加わることなど、支援を広げる重要性も指摘した。

 回復に取り組む当事者や家族による体験発表なども行われた。
 (金盛文香)