バレンタインのチョコ「ジャケ買い」も 沖縄で今年のトレンドはパッケージの「アフターユース」


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「アフターユース」できるように形や柄が工夫されたチョコレートのパッケージ=8日、那覇市久茂地のデパートリウボウ

 おいしく食べて、かわいく飾って―。14日のバレンタインデーに向け、那覇市久茂地のデパートリウボウはチョコを求める多くの人でにぎわっている。食べた後にインテリアとして活用できる、パッケージの「アフターユース」が今年のトレンドだ。西洋画や日本画、動物や宇宙をモチーフにした華やかで色とりどりのパッケージに、目でも楽しめる売り場となっている。「食べた後もかわいがってほしい」と作り手の思いがこもる。

 コレクションできるように手頃な価格に設定された小さめの缶や、男性客を意識して、車のブランドとコラボレーションしたスタイリッシュなパッケージも人気だ。毎年チョコを買いに来るという39歳の女性=那覇市=は「パッケージがおしゃれな物が多い」と今年のトレンドを楽しむ。

 本の形を模したデザインや、沖縄の生物を題材にした絵柄の缶が人気のマリベルジャパンの濱田紀穂副社長は「年代を問わず“ジャケ買い”する人も多い」との感触を話した。「食べた後に捨てるだけ、というのはもったいない」と環境への配慮も意識する。

 家族やパートナーに渡すチョコを買いに来た椿山莉子さん(24)=那覇市=は、「食べた後に小物入れにもできるような、きれいで見栄えする缶を選んだ」と宇宙柄やブルーの缶をかごに入れた。悩みながら商品を選ぶ18歳の女性=那覇市=は「食べた後にそのまま使える」ような見た目のかわいさを重視した。

 コロナ禍での販売方法の変化から見た目を重視する人もいる。夫や会社用にチョコを買い求めた46歳の女性=豊見城市=は「以前までは試食をして味で選んでいたが、コロナの影響で試食が減ったので、見た目のかわいさで決めている」と選び方の変化があった。

 リウボウインダストリー営業推進部の山里理沙子さんは「見るだけでも楽しい、カラーバリエーションに富んだ物が人気だ」と話した。中身にもパッケージにもこだわりの詰まったチョコが、今年のバレンタインデーを彩る。

 (金盛文香、普天間伊織)