コロナ生活資金の貸し付け、沖縄県内で返済免除4割 決定額147億円 長引くコロナ禍で生活の改善厳しく


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 新型コロナウイルス感染拡大に伴い収入が減った世帯に生活資金を特例で貸し付けた国の制度を巡り、沖縄県内の貸し付け分(2020年3月~22年3月)のうち、返済免除の決定件数と金額が全体の4割に上ることが、県社会福祉協議会のまとめで14日までに分かった。長引くコロナ禍で生活が上向かず、返済不能の世帯が多いことが浮き彫りになった。

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 20年3月~22年3月の貸し付け総数は10万2145件(金額352億846万1700円)で、うち返済免除の決定は4万1800件(同147億325万7273円)に上る。

 返済は早い人で23年1月から始まっている。返済免除の決定は最大20万円の緊急小口資金と、最大月20万円を3カ月までの総合支援資金の初回分のみ。返済免除は所得の少ない住民税非課税世帯が対象となっている。県社協などによると、返済ができない理由について「再就職ができていない」「物価高などで難しい」といった厳しい声があった。すでに借りた人から「ほかの貸し付けはあるか」といった相談も多いという。

 各社協への免除申請は現在も相次いでいる。特例貸し付けは22年9月に終了。全期間の貸し付け件数は15万209件(同596億2818万6千円)となっている。22年4月以降の返済免除件数などの集計はこれからのため、件数と金額はさらに増える見通し。

 免除決定分とは別に、昨年11月30日現在で1281件(同5億1645万6千円)が債務整理手続きに入り、うち356件(1億3049万1千円)の自己破産も決まった。

 全国社会福祉協議会によると全国での貸し付けは381万件(同1兆4447億円)に上る。

(金良孝矢)


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