「国を待っていては子ども守れない」普天間第二小からPFOS 血液検査求める声 沖縄


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PFASに関する調査で米軍普天間飛行場、嘉手納基地周辺などで採取された土壌=2022年12月12日(県提供)

 【中部】県が実施した有機フッ素化合物(PFAS)の土壌調査結果で、宜野湾市の普天間第二小学校では他地点より高い値が検出された。市民からは子どもたちへの影響を不安視する声が上がり「国の対応を待っていては子どもたちを守れない」と、県や市へ早期の対応を求めた。

 PFASはこれまで米軍基地周辺から高い値で検出され、有害性が指摘されている。昨年8月に同小で土壌調査を実施した、市民団体「宜野湾ちゅら水会」の町田直美共同代表は「誰が健康への責任を取るのか。目の前の子どもたちを守るには、今すぐに何ができるのか考えなければならない」と強調する。同団体の調査でも土壌1グラム当たりPFOS1.1ナノグラムを検出。米国環境保護庁(EPA)が示す土壌から地下水への汚染を防止するための目安値の29倍の値だった。今回は6.6ナノグラムと大幅に前回を上回った。

 市教育委員会によると、採取場所は校内敷地であるものの米軍基地フェンスに近く、子どもたちが容易に立ち入る場所ではないという。周知も含め、県と連携した取り組みを進めるとしている。

 松川正則市長は「土壌の基準値の設定など国への要請を続けている。市だけでは対応できない部分もあるので、県と連携して対策したい」と述べた。

 一方で、嘉手納基地周辺の採取地点からの検出値は、米軍基地がない糸満市内の比較地点と比べ、大差はなかった。「有機フッ素化合物(PFAS)汚染から市民の生命を守る連絡会」の伊波義安共同代表は「土壌調査の数値だけで、汚染がないと判断することはできない。子どもたちへの影響を調査するためにも、血液検査などをして徹底的に調べる必要がある」と話した。
 (新垣若菜)