那覇に響く「ブラボー」 力強く柔らかい歌声 テノール歌手・喜納響が公演


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伸びやかな歌声を響かせるテノール歌手の喜納響。ピアノは譜久山夏葵=1月24日、那覇文化芸術劇場なはーと大劇場

 糸満市出身のテノール歌手、喜納響のリサイタル(森の音楽館主催)が1月24日、那覇文化芸術劇場なはーと大ホールで開催された。昨年7月の「第58回日伊声楽コンコルソ2022」2位入賞と、「第26回コンセール・マロニエ21」1位入賞を記念して開かれた。リサイタルでは喜納と一緒にコンクールを回っている譜久山夏葵がピアノを務め、コンクールで披露した曲を中心に、多彩なプログラムで観客を楽しませた。

 オペラアリアやイタリア歌曲、日本歌曲や沖縄の作品などを歌い分け、喜納の力強い歌声の中にある柔和な響きが、観客との距離を縮めていき、曲を披露する度に拍手や「ブラボー」の歓声が会場に響いた。

 普久原恒勇作曲の「芭蕉布(ばしょうふ)」や沖縄民謡「てぃんさぐぬ花」、八重山民謡「トゥバラーマ」(中村透編曲)では、沖縄音楽の美しさも改めて感じさせた。リサイタルは同月18日に糸満市のくくる糸満でも開催され、計2回上演された。

 喜納は東京芸術大学大学院修了。県内外で数々のコンサートやオペラに出演を重ねる。県立芸術大学非常勤講師、楽友協会おきなわ副代表理事、音楽教室「森の音楽館 那覇・安里校」代表などを務める。
 (田中芳)