沖縄のDV摘発、最多の168件 「犯罪」の認識浸透か 相談数も増加傾向 22年


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 2022年のドメスティックバイオレンス(DV)の沖縄県内での摘発が168件となり、統計開始以来、最多を更新したことが18日までに、県警のまとめで分かった。154件だった21年に比べて14件増加した。県警人身安全対策課は「夫婦間など親しい間柄でも、どんな理由があっても暴力を振るうことは許されない」と指摘している。 

 県警は取り締まり強化のほか、犯罪であるとの認識が広がっていることなどが増加の背景にあるとみている。生活状況が新型コロナの影響を受け、被害が深刻化している可能性もあるとみられる。

 過去10年のDVによる摘発は101件だった13年から増加傾向にあり、17年は128件、20年は134件と推移した。22年の168件のうち、DV防止法違反の疑いで摘発されたのは4件で、残り164件は傷害や暴行などの容疑によるものだった。

 22年に県警に寄せられた相談件数は1037件で、過去10年で見ると19年の1082件、20年の1040件に次いで3番目に多い。相談も増加傾向にあり13年656件、17年は764件だった。21年は992件で、高止まりが続いている。

 人身安全対策課の照屋寛史次席は、DV事案では加害者が酒を飲んで暴力を振るうことも少なくないとし「適正飲酒に努めてほしい。『家族だから殴っていい』ということには絶対にならない」と強調した。県警は相談専用電話を設け、相談を受け付けている。電話番号は#9110。 (友寄開)