お湯を注ぐと…感謝の文字出現でじわっとあたたかく 昭和薬科高がコーヒードリップパックを開発 模擬起業大会で最高賞


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グランプリを受賞したドリップパックの外側部分。湯を注ぐと側面に文字が浮き出る(シュシュ提供)

 昭和薬科大付属高1年の生徒らが全国の高校生が競う模擬起業グランプリ「リアビズ」で最高賞のグランプリを獲得した。親に「ありがとう」の一言が言えない同世代の思いをヒントに、湯を注ぐと感謝の言葉が浮かび上がるコーヒードリップパックを開発。11日に都内で行われた最終審査で、情熱のこもったプレゼンテーションも評価され、審査員の満場一致で最高賞を受賞した。

 いずれも16歳の根間瑛蓮(えれん)さん、比屋根佳歩さん、比嘉彩愛(さえ)さん、當山桜子さん、下地心音(ここね)さん、與那原夢歌さんの6人チーム「シュシュ」。大会では、オリジナル商品をネットショップで販売し、利益率やマーケティングなどで競った。

 開発したのはハート形のドリップパックコーヒー「じわっと。コーヒー」。パックの側面に特殊な印刷を施し、お湯を注ぐことで「いつもありがとう」や「これからもよろしく」と文字が浮かび上がる仕様。素直に親に感謝を伝えられない同級生らの「思いを伝える手助けをしたい」と當山さんがアイデアを出した。

グランプリを獲得した(後列左から)下地心音さん、與那原夢歌さん、比屋根佳歩さん、(前列左から)根間瑛蓮さん、當山桜子さん、比嘉彩愛さん=17日、浦添市の昭和薬科大付属高

 商品発注、販売まで全て自分たちで。印刷会社との交渉を重ねた下地さんは人見知りだという。「コンセプトを売り込んで共感してもらった。(人見知りを)克服できた」と成長を実感。スケジュール管理をした根間さんは「最初は全部自分でやっていたけどチームに頼るようにした」と仲間との信頼を深めた。

 グランプリ獲得に「びっくりした」「実感はない」と口々に話す。それでも「商品を通して思いを届けられた」「社会に関われて良い経験になった」と将来への視野が広がったようだ。同校から出場し、ホウセンカ色素のネイルチップを開発した「ゆいゆくる」も入賞した。

(金盛文香)