大豆ミートなど植物性食材で給食を考案 高校生が食の多様性を発信 沖縄・与勝高校


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学校給食にプラントベースの献立を提案した与勝高の(左から)山城万奈さん、比屋根彩さん、佐次田想愛さん=13日、うるま市

 【うるま】うるま市の与勝緑が丘中で13日、植物性の食材を中心とした「プラントベース」の献立が学校給食で並んだ。SDGs(持続可能な開発目標)と地域課題の解決をテーマとした与勝高2年の総合学習の授業で、プラントベースについて探究したグループの提案を受けて提供された。グループのメンバーは佐次田想愛さん、山城万奈さん、比屋根彩さん=いずれも17歳=の3人。佐次田さんは「食の多様性を大切にしてほしかった」と意図を話した。

 3人は本年度の総合学習の授業で、当初はビーガン(完全菜食主義)をテーマにした。ビーガン食を2週間実践したり、専門家にインタビューしたりして知見を深めた。探究の過程で卵や牛乳などの動物性の食材もバランスよく取り入れるプラントベースに着目した。

プラントベースの給食をほおばる与勝緑が丘中の生徒ら

 「自分たちだけでとどめるのはもったいない」と、昨年10月ごろに学校栄養職員の宮城野乃香さん(25)に給食で出せないか相談した。宮城さんは給食の基準を満たす範囲でできると判断。大豆ミートを使ったミートスパゲティやコロッケ、米素材のガトーショコラを考案した。牛乳から動物性の栄養を摂取できるように工夫しており、「タンパク質の摂取を肉に頼り過ぎていた。豆類の残量を減らすことにもつながる」と話した。

 牛のげっぷなどに含まれるメタンガスが二酸化炭素の20倍の温室効果があることなど、学んだ知識をポスターにして学校に掲示した。比屋根さんは「給食を食べて中学生にもちょっとでも考えるきっかけになってほしい」と、山城さんは「プラントベースは思ったより手軽だった。楽しい体験として取り入れる人が増えてほしい」と話した。 (古川峻)