避難場所の確認、食べられる野草探しも 「不便さ」キャンプで体験、地域の防災力強化 沖縄・名護


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応急担架の作り、人を運ぶ練習をする区民ら=1月14日、名護市大浦公民館(提供)

 【名護】名護市大浦区(宮里辰之区長)は同区公民館を拠点に1月14、15の両日、1泊2日の防災キャンプを実施した。知識だけでなく不便・不自由を体験することで創意工夫する力を育み、緊急時の行動や心構えを全世代が楽しく学びながら地域防災力の強化するのが狙い。延べ30人が参加した。

 避難場所の確認や食べられる野草探しの防災散歩、備蓄品の使用体験、野草も使った炊き出し体験など多彩なプログラムで盛り上がった。第1回の企画だけにまずは「楽しく学ぶこと」を目指した。

 最終日の「振り返り」では「いびきがすごかった。次からは耳栓を忘れないで」などのコメントも。次回に向けて良かった点や反省点を全員でまとめた。

 同区は1960年5月のチリ地震津波で、大浦橋の決壊や区内全域が浸水するなど大きな被害を受けた。この経験から自主防災組織の結成や区独自の防災マップの作製など区民の防災意識は高い。宮里区長(44)は「このような訓練を重ねて地域の防災力をさらに高めていきたい」と話した。

 このキャンプは「名護市ちばる地域提案事業助成金」の助成を受け、「一般社団法人災害プラットフォームおきなわ」「NPO法人防災サポート沖縄」の協力を得た。
 (嶺井政康通信員)