「メイドイン沖縄」の天然繊維を 大宜味・フードリボン社、村内に工場新設へ パイン葉やバナナ茎から抽出


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フードリボンや大宜味村の関係者らが参加した天然繊維製造施設の地鎮祭=22日、大宜味村田港

 【大宜味】パイナップルの葉などから繊維を抽出している素材メーカー「フードリボン」(大宜味村、宇田悦子社長)は、大宜味村田港に天然繊維製造施設を新設する。22日、現地で地鎮祭を行った。自社開発した繊維抽出装置を使い、繊維製造を本格化させる。今秋完成し、2023年度内に供用開始する予定。

 同社は19年から拠点を大宜味村に置き、農業廃棄物の有効活用による環境汚染問題の解決を目指している。従来廃棄されていたバナナの茎やパイナップルの葉から繊維を抽出し、ストローなどを製造してきた。

天然繊維製造施設の建設予定地で今後の展望を語るフードリボンの宇田悦子社長

 新設する施設は敷地面積2900平方メートル。平屋建て工場棟と、本社機能や地域住民が気軽に利用できるコミュニティーエリアを備えた2階建て事務所棟を建設する。

 工場は独自技術で開発した小型の繊維抽出装置を使い、東村や大宜味村の農家から排出されるパイナップルの葉やバナナの茎から繊維を抽出。国内アパレルメーカーへ販売する。年間25トンの繊維生産を目標に、県内の協力農家を増やしたい考えだ。同工場を含め今後、約20人を地元雇用する。研修生を受け入れ、製造した繊維を使ったかりゆしウェア縫製の技術などを伝える。

 運搬の手間を省くため、繊維抽出装置を本島北部や離島のパイン農家に無償貸与し、農家が抽出した繊維を買い取ることも計画している。

 宇田社長は「地域の意見も聞きながら、期待に応える施設にしたい。メイドイン沖縄の繊維製品をここから発信する」と意気込んだ。友寄景善大宜味村長は「事業をぜひ成功させ、大宜味村をPRしてほしい」と期待した。
 (岩切美穂)