2022年の演劇作品などを顕彰する第30回読売演劇大賞(読売新聞社主催)の贈呈式が24日、都内で開かれ、沖縄市出身の劇作家、兼島拓也さん=宜野湾市在住=(34)が脚本を担当した演劇「ライカムで待っとく」に優秀作品賞が贈られた。
作品は米統治下の1964年に、普天間で起こった青年4人による米兵殺傷事件を基に書かれたノンフィクション「逆転」(伊佐千尋著)に着想を得て制作された。現代と米統治下の沖縄という二つの時代が交錯する物語。横浜市のKAAT神奈川芸術劇場が企画制作し、昨年11月から12月までに同劇場で上演された。
兼島さんは「ノミネート自体、ものすごく光栄で、うれしさと驚きで実感が湧かない。沖縄に住んでいる人間だからこそのゆらぎみたいなものや、言葉にはしないが、ときどき感じる部分をセリフで書きたいと思って舞台作品にした。いずれは県内でも上演できればと思っている」と話した。
(田中芳)