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ツイッターで「副業で月10万稼げる」と募集→「闇バイト」で薬物密輸 容疑で指示役を逮捕 沖縄にも密売役


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「テレグラム」のスマートフォンアプリのアイコン

 中国から危険ドラッグを密輸したとして、近畿厚生局麻薬取締部が医薬品医療機器法違反の疑いで、大規模密輸・密売組織のリーダーとみられる関東地方の20代の男を逮捕していたことが26日、捜査関係者への取材で分かった。交流サイト(SNS)の「闇バイト」で荷受け役を募り、匿名性の高い通信アプリ「テレグラム」で指示していたといい、麻薬取締部は少なくとも数十件の密輸に関与したとみている。

 闇バイトは特殊詐欺で現金を受け取る「受け子」の他、一連の広域強盗事件でも実行役を集める手段となっており、違法薬物の売買でも大きな役割を果たしている実態が浮き彫りになった。麻薬取締部はインターネット上の対策を強化する方針。

 捜査関係者によると、男はツイッターに「副業で月10万円稼げる」などと投稿し闇バイトを募集。応募した男女に「荷物の受け取り代行業」「中身はアダルトグッズ」と伝えて違法薬物を中国から自宅に届けさせ、指定住所に転送させていた。こうした荷受け役は少なくとも十数人おり、ドラッグの密売役も北海道、茨城、東京、神奈川、静岡、愛知、大阪、沖縄の主要都市にいた。募集ツイートを担うリクルーターや、リーダーとの連絡役もいた。

 男の逮捕、追送検容疑は昨年6~7月、興奮作用のある危険ドラッグを3回密輸した疑い。昨年8月に逮捕された当時は無職で、既に同罪で起訴され公判中。逮捕容疑を認め「2018年から危険ドラッグを密輸し、その後コカインや合成麻薬LSDも輸入していた」と供述したという。
(共同通信)