かりゆし着ない女性に着目 「ぐすく花織」をブラウスなど現代風に 沖縄発の新アパレル「YOAKE」


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ぐすく花織を使ったアパレルブランド「YOAKE」の服(提供)

 南風堂グループのand(沖縄県糸満市、長濱光江社長)はこのほど、レディースアパレルブランド「YOAKE」を発表した。四つと五つのマス目からなる沖縄の伝統柄「ミンサー柄」や鳥の柄などを織り込んだ「ぐすく花織」の生地を使用した服に、幸せへの願いを込めている。

 県出身でデザインディレクターを務める越智美香さんは、東京で服飾学校に通う中で、沖縄の文化などの良さを再確認した。表現の場を模索していた時、ぐすく花織の生地を見て「これだ」と思った。越智さんは「柄の入り方が独特でかわいい」と魅力を語る。

 ぐすく花織は、花織の技法を取り入れながら自動織機で生産できる、洋服に適した生地。広幅で強度がある、沖縄らしい織柄が特徴となる。

 織物の、敷居が高いというイメージを払拭するため、若者に良さを感じてもらえるデザインを心がけた。着やすさにこだわることで普段着としても着られ、織物を身近に感じてもらう目的がある。

 ビジネスシーンで女性があまりかりゆしウエアを着ないことに着目し、オフィスカジュアルとして着用できるブラウスなども製作した。観光市場だけにとどまらない沖縄のアパレルを目指す。

 YOAKEとは別に、ぐすく花織のパッチワーク製法を用いたレディースアパレルブランド「COCO」も立ちあげた。沖縄の柄とパッチワークの良さを組み合わせたスカートなどを展開する。

ぐすく花織を使用したブランド「YOAKE」の服をPRするandの越智美香デザインディレクター(中央)ら=3日、那覇市泉崎の琉球新報社

 越智さんは「決して安いとは言えないが、生地が丈夫なので長持ちする。沖縄の模様の良さが県外や海外にも広まってほしい」とPRした。

 現在は受注販売のみを行っており、販売開始は6月を予定している。3月7日~13日には、那覇市のデパートリウボウで両ブランドの受注会を行う。

(與那覇智早)