「石垣のことを沖縄、日本全体で考えて」陸自車両の搬入で市民ら「搬入やめろ」とデモ


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「石垣を戦場にするな」などとシュプレヒコールを挙げ、デモ行進する市民ら=5日午後2時52分、石垣市

 【石垣】防衛省・自衛隊が、石垣市平得大俣にある陸上自衛隊の駐屯地に約150台の車両を搬入した5日、車両の出発地となった石垣港付近では、搬入を阻止しようと早朝5時から市民らが集まった。一部の市民が自衛隊員と対峙(たいじ)し、県警に両手足をかつがれ移動させられるなど現場は一時騒然となった。「石垣に基地はいらない」と繰り返し訴える市民の前を、自衛隊車両が次々と通過した。

 午前7時43分、自衛隊車両が公道走行を開始すると、市民は「搬入やめろ」などと声を張り上げた。スーパーや医療機関などが軒を連ねる市街地を大型車両が走行していった。

 午後には市内の新栄公園で市民団体主催の集会が開かれ、約200人の市民らが集まった。

 駐屯地近くの市真栄里でサトウキビや芋、ウコンなどの農業を営む嶺井善(まさる)さん(57)は、マイクを握り「(自衛隊の)車両を見てこんなのと、これから隣り合わせで生きていかないといけないのかと複雑な思いだ」と怒りをにじませた。「石垣のことを沖縄・日本全体で考えてほしい」と訴え、「今まで通り自然とともに農業がしたいだけだ」と望みを語った。
 (照屋大哲)