リビングで「おうち図書館」 毎月無料で開放の浦添・下地さん SNSで絵本の魅力を発信


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自宅から絵本の魅力を発信している下地良美さん(前列中央)と絵本の世界を楽しんでいる下地さん一家=浦添市(提供)

 【浦添】約千冊の絵本が並ぶ自宅リビングを毎月、無料開放し、自由に読める「おうち図書館」を開いている人がいる。1歳から中2までの4男1女の母親で保育士でもある下地良美さん(39)=浦添市=だ。「絵本は子どもの可能性を広げ、大人の心も豊かにしてくれる。読み聞かせをするだけで子どもたちがこんなにも心が豊かになる。絵本に支えられ子育てが楽しい」と話し、絵本の魅力をSNSなどで発信している。

 約4年半前、ある講座で絵本の良さを知り、絵本に対する考え方が変わったという。中2の長男が小4の時から子どもたちへの読み聞かせを本格的に始めた。「子どもたちは自己肯定感が上がり、自分の思っていることを正直に言葉してくれることが増えた」と絵本の持つ力を語り、「子どもたちに読んでいるつもりが読んでいる私自身が癒やされている」とも話す。

 長男が小4のある日、読み聞かせをしていると、その絵本に出てくる言葉を借りて自分の正直な気持ちを打ち明けてくれたという。当時は学校に行けない時期があったというが、毎日の読み聞かせを欠かさなかった。「絵本の言葉を借りて本人に声を掛けながら送り出していた」と振り返る。小5に進級すると学級委員を引き受けるほどに心が強くなっていた。

 また、長男は昨年、学校帰りに人助けをしたという。幼い頃から大好きで繰り返し読んでいた絵本の内容と重なった場面に遭遇し、友達と一緒に人を助けて感謝されたという。下地家では絵本から優しい肯定的な言葉を受け取り、きょうだいで柔らかい言葉を循環させるように褒め言葉が飛び交う。絵本から学び、絵本の世界を楽しんでいる。

 EQ絵本講師の資格を持つ下地さんは「大人のための絵本講座」(有料)を開いているほか、子どもにアレルギーがあることから米粉と発酵調味料の講座も開いている。「おうち図書館」の日程などはインスタグラムの「下地良美」さんで検索。
 (中川廣江通信員)