沖縄県、米韓地位協定の状況を現地調査 結果踏まえ日米協定の課題を提起へ


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沖縄県庁(資料写真)

 沖縄県は6日の県議会予算特別委員会の補正予算審査で、昨年11月に米韓地位協定の現地調査を実施したと明らかにした。嘉数登知事公室長はドイツやイタリアなど、これまで実施した調査結果を踏まえた上で「全国知事会や渉外知事会で取り上げていただくと同時に、日米地位協定の問題を知事のトークキャラバンなどで取り上げ、国民に訴えていきたい」と強調した。仲村家治氏(沖縄・自民)、平良昭一氏(おきなわ南風)に答えた。

 県基地対策課によると、調査で、韓国では基地被害の解決に向け話し合う場として、日本の防衛省に当たる韓国国防部が主催する協議会に、在韓米軍基地が集中する京畿道などの地方自治体が参加する事例があることが示された。一方、環境調査のための基地立ち入りは難しいことや、返還跡地で汚染物質が検出されていること、環境浄化の費用負担などに関しては課題があることも分かったという。県は「精査中」としており、まとまり次第、正式に公表すると説明している。

 県教育庁の安里克也学校人事課長は、小中学校の定数内の臨時的任用教員が757人いると明らかにした。半嶺満教育長は正規教員の採用に関して、初任者研修実施などのため年間最大350人の採用枠をすぐに拡大するのは難しいとの認識を示し、採用増に向けて改善計画を策定中だとした。仲村未央氏(立憲おきなわ)に答弁した。

 県は県内各地の海岸への漂着ごみの撤去費用を国が補助する「海岸漂着物等地域対策推進事業」に、2022年度当初予算で5億8082万円を計上していたが、約1億8046万円余ったため、4億36万円に減額補正する予算案を提出した。中川京貴氏(沖縄・自民)への答弁。金城賢環境部長は「市町村の意見も聞いた上で減額補正をした」と述べた。
(知念征尚、梅田正覚、大嶺雅俊)