ヤングケアラーの理解深め 人権作文をきっかけに学習会 「同年代にしかできない探し方を」国頭


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人権擁護委員活動学習会を終えた宮城心珀さん(右から3人目)と末石森春会長(同2人目)と人権擁護委員の皆さん=2月14日、国頭中学校教室

 【国頭】那覇地方法務局・沖縄県人権擁護委員連合会主催による、第41回全国中学生人権作文コンテスト沖縄県大会に、「子どもらしく」「大人らしく」の題名で応募した宮城心珀(こはく)さん(国頭中学校1年)がこのほど、優秀賞を受賞した。

 宮城さんの作文には、学校の階段に貼られたポスターに書かれていた、「子どもが子どもでいられる街に」というキャッチコピーが何を訴えているのか最初は理解できず、「ヤングケアラー」という言葉に初めて出合ったことがつづられる。

 このポスターとの出合いが、それらの言葉について深く考えていくきっかけとなった。ヤングケアラーについて学ぶうちに、社会全体で認知度を高め、子どもたちの相談しやすい環境を作り上げることが必要だと感じたという。地域で見守る力も解決の要因ではないかと感じたなどと作文につづった。

 宮城さんは、受賞後もさらに人権の擁護について知りたいと思い、国頭村の人権擁護委員と話し合いたいと母親に相談。2月14日、国頭中学校の教室で担任が付き添い、村擁護委員から連絡を受けた沖縄県人権擁護委員連合会から、末石森春名護人権擁護委員協議会会長や上原和江国頭村人権擁護委員らが参加して人権擁護に関する学習会が開かれた。

 宮城さんは「どのような形で子どもたちの相談を受けてますか」「『ヤングケアラー』と思われる子どもたちをどのような声掛けで探し出し、助けられますか」などの疑問点を質問した。

 関係者からは人権擁護委員協議会の組織の説明や活動、人権相談から問題解決までの流れが説明された。村の擁護委員からは実際に学校現場で起きた事例を取り上げた報告もあった。

 末石森春会長は「中学校の生徒からこのような形で話を聞きたいというのは初めて。心珀さんの今後に期待したい」と激励の言葉を述べた。

 学習会を終えた宮城さんは、自分一人で悩むのではなく、身近な人や人権擁護委員に相談することで少しでも気持ちが軽くなるのではないかと感じたという。同世代の人たちにもっと人権擁護委員の活動内容を知ってほしいとの思いを胸に、「同年代にしかできない『ヤングケアラー』の探し方を考えたい」とした。
 (新城高仁通信員)