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多様でスピーディーな事業変化に人員足りず…頼るのは非正規職員 沖縄の市町村職員の実態


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 県内41市町村のうち、正規職員より会計年度任用職員の方が多い自治体は半数を超え、25市町村だった。条例で定められる正規職員数は大きく変化しない一方で、多様な事業を実施するための人員は必要で、会計年度任用職員に頼っているとみられる。教育現場で短時間勤務の職員が増加していることも影響しているようだ。

 宜野湾市の担当者は「年度ごとの事業の変化がスピーディーになっている中で、条例で定数が決まっている正規職員を新規事業の人員に充てるのが難しく、会計年度任用職員に頼らざるを得ない」と明かす。

 沖縄市の担当者は「コロナ禍で国から求められる事業が多かったのも、会計年度任用職員が増えている要因だと思う」と指摘する。

 コロナ禍では、ワクチン接種などに関連する新規事業が多く発生し、年度途中で人員が必要となる場面もあった。正規職員を途中採用するのは難しく、会計年度任用職員にコロナ禍の事業を頼っていたことも背景にあるようだ。

 うるま市の担当者は、学校現場で短時間勤務の職員が増えていることも要因に挙げた。「学校支援員や英語の指導員などは1、2時間勤務の人が多くいる」と指摘した。本部町の担当者も「単発の事業が増えているのもあるが、特別支援員など教育現場の会計年度任用職員が増え、全体の数を押し上げている」と説明した。
 (稲福政俊)