琉球新報社 
2023年度、県農林水産部に女性では16年ぶり2人目の部長として前門尚美さん（58）が着任する。県産品の普及促進と合わせ「もうかる農業の仕組みや、担い手の育成支援もしっかりやりたい」と意気込む。さらに「気軽に声を掛けてもらい、背中を押してもらった」という先輩らの教えを、「後輩につなげていきたい」と部内の後進育成にもやる気を示す。
高校時代、生物クラブに所属していた前門さんは大学で農学部に進んだ。県庁では専門外の花の担当から始まり「花の県外出荷がどんどん伸びていた時期で楽しかった」と当時を振り返る。
仕事の裏には家族の理解があった。育児中で参加を迷った長期県外研修で、参加を後押ししてくれた家族に感謝する。部長着任が決まった際も、不安を打ち明けると「今悩んでどうするのかと励まされた」と笑う。
「女性だけ、男性だけではなくみんなが意見を出し合い、楽しく仕事ができるようにしたい」。夫婦や女性の就農者も増える中で、県職員も農業者も助け合いながら沖縄の1次産業発展に力を出す。
（武井悠）
