40歳を過ぎてIT業界から農業の世界に飛び込んだ。農家で障がい者などが働く「農福連携」に取り組む新里えり子さん(49)=うるま市=は、「障がい者も高齢者も女性も、誰でも地域で働ける環境を作りたい」と意気込む。
両親は兼業農家だったが、「農業はやりたくない」と県外の大学へ進んだ。20年近く通信やITの会社で働いたが、激務に疲れ果てた。たどり着いたのは、原風景にあった農業だった。
県立農大で学び、現在はうるま市や宜野座村でパイナップルや在来種のブドウを育てながら、農福連携技術支援者として、農業と福祉作業所などをつなぐ。
農家の業務を細分化し、それぞれにかかる時間や必要なスキルなどを見える化。明確な指示を出せるような工程表を作り、誰でもできる仕組みを整える。「仕事を切り分け、福祉と連携することで農家は経営や営業先開拓などに取り組むことができる。農業が産業として強くなる」と語る。無理せず誰でも続けられる農業を次世代へ。挑戦を続ける。
(玉城江梨子)