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3歳でこの世を去った娘がくれた縁 ヘアメイクアップアーティスト・新垣文望さん<生き方 わたし流>


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闘病中の子どもたちのヘアカットをボランティアで担う新垣文望さん=2月27日、沖縄市泡瀬のヘアメイクプラハ(喜瀬守昭撮影)

 沖縄市で美容室「PRAHA(プラハ)」を経営し、ヘアメイクアップアーティストとして数々の映画やドラマ、CMなどでも活躍する新垣文望(あやみ)さん(40)。ライフワークとして南風原町の県立南部医療センター・こども医療センターに通い、入院中の子どもたちの着付けやヘアカットのボランティア活動をしている。

 きっかけは4年前、娘の夢叶(ゆな)ちゃんを病気で亡くしたことだ。「拘束型心筋症」という難病で、2歳の頃に余命宣告を受け、わずか3歳でこの世を去った。「闘病中の娘に最後まで寄り添ってくれた病院に恩返しがしたい」と、四十九日が終わった直後にボランティア登録した。定期的なヘアカットや、七五三やひなまつりなど特別な日の着付けを通して、子どもたちや家族のため奮闘している。

 「子どもを失った母親は以前の生活には戻れない。ある日突然、地球から火星に飛ばされたよう」としながらも、「それでも新しい人生を強く生きる。娘がくれた縁を大切に、これからも子どもたちに寄り添いたい」と笑顔を見せた。
 (普天間伊織)