保育料無償化の対象外になる恐れも…沖縄の認可外園163園が「要改善」 県が対策費5500万円


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 2024年10月以降、行政の指導監督基準を満たさない認可外保育施設が国の保育料無償化の対象外となることを受け、沖縄県子育て支援課は24年度から、同基準を満たした上で運営継続を希望する保育施設を支援する。同課によると、県が管轄する認可外保育施設は、那覇市や宮古島市をのぞく421カ所で、22年4月時点で基準を満たしているのは258カ所。残る163カ所には改善点が残っており、そのうち16カ所は保育士や看護師などの有資格者が0人だったり、時間帯によって不在となったりする施設がある。

 県子育て支援課は24年度予算案に保育士資格取得支援や施設改修費などを補助する各種事業に約5500万円を計上しており、担当者は「無償化の期限までに保育の質を向上させたい」と語る。

 保育料無償化は、市町村に保育の必要性を認定された3~5歳クラスの園児や0~2歳クラスの住民税非課税世帯が対象だ。

 今後、保育施設が指導基準を満たしていない場合、保護者負担が増える事も想定されるため、県は保育施設の職員が保育士養成校に通う際の受講料や代替人員の雇用経費を支援するという。

 また、利用者の居宅に訪問して保育を行う49事業者に対しては、集団研修会を実施し、修了報告の提出をもって証明書を発行する考えだ。

 居宅訪問型の保育事業者は、施設保育を前提とした指導監督基準になじまず、証明書発行が難しかったため、研修によって保育の知識や資質を確保してもらうという。

 認可外保育施設は県内の保育を支え、待機児童の受け皿にもなってきた背景がある。

 担当者は「今後は県の立ち入り調査員も増員する予定だ。年1回の調査を全ての施設に行い、保育の継続に結びつけたい」と語った。

(嘉陽拓也)