石垣島の陸自配備「願望ではない」 中山市長が反論 議会質問で紛糾 与党「やむを得ず容認」


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中山義隆市長

 【石垣】石垣市の中山義隆市長は13日に開かれた市議会3月定例会一般質問で、石垣島への陸上自衛隊配備について「願望したことはない」と述べた。長浜信夫氏が駐屯地に関する見解を問う中で「市長願望のミサイル配備が現実味を帯びてきた」と言及したことに対し、中山市長は「願望という言葉は全く当たらない」と反論し、長浜氏に謝罪撤回を求めた。

 議会は紛糾し、議会運営委員会の委員が協議し文言調整した後、長浜氏は「市長の願望と思われる」などと訂正した。謝罪はしなかった。

 議運で、与党側は「(市長は)南西諸島防衛のためにやむなしに自衛隊配備を(容認)しているというスタンスだ。自ら進んで誘致している訳ではない」などと主張した。

 一方、野党側は「積極的に容認、受け入れしたということをなぜ正々堂々と市民に説明しなかったのか。願望と言わずして、自衛隊にも失礼だ」などと訴えた。

 議会再開後、長浜氏は「2018年7月18日に中山市長は陸上自衛隊配備を正式に受け入れた。これは市長の願望と思われます」と修正した文言で質問した。

 中山市長は「自衛隊配備を願望したことはないと改めて申し添えておきたい。防衛省側から陸自配備の打診を受けた。島民を守るため、やむを得ず容認し、願望ではない」と答弁した。

 琉球新報が市議会の会議録検索システムで調べたところ、市長が陸自配備に関して「願望」と述べている文言はなかった。
 (照屋大哲)