辺野古設計変更の不承認巡る2件の訴訟、きょう判決 高裁那覇支部


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福岡高裁那覇支部(資料写真)

 名護市辺野古の新基地建設で、軟弱地盤改良工事に伴う防衛省の設計変更申請を県が不承認とした処分を巡り、沖縄県が国を相手に起こした2件の訴訟の判決が16日、福岡高裁那覇支部で言い渡される。国土交通相は県の不承認を取り消す裁決をし、さらに承認するよう求める是正の指示を出した。県は、国交相裁決も是正指示もどちらも違法だとして、取り消すよう求めている。

 不承認に関する訴訟の判決は初めて。国側は、裁決については「裁判の対象にならない」として訴えを却下するよう主張。是正指示については、不承認を取り消した国交相裁決が有効で、県は裁決に拘束されるなどとして請求棄却を求めている。

 沖縄防衛局は2020年4月、大浦湾の埋め立て予定海域で見つかった軟弱地盤の改良工事のため、県に設計変更を申請した。県は軟弱地盤の調査が不十分であることなどから不承認とした。新基地の完成には、設計変更に対する県の承認が必要。不承認を巡って、県は行政事件訴訟法に基づく抗告訴訟も起こしており、那覇地裁で係争中。