子ども支援への寄付・募金が半減 沖縄 物価高騰や寄付活動の多岐が要因か 子ども未来県民会議


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沖縄県庁

 沖縄子どもの未来県民会議(理事長・池田竹州副知事)に寄せられる寄付・募金額が前年度比約55%減の1467万円にとどまり、事業開始の2016年以降で最低額となったことが15日、分かった。県子ども未来政策課によると、新型コロナウイルスによる経済に落ち込みや物価高騰が影響していると思われる。個人からの寄付は前年同期比29件減の49件となっており、次年度計画では一部事業を縮小するという。

 同日に県庁で開かれた理事会で報告があった。理事からはイベントと連携した寄付の周知や活動の強化を求める意見が上がったという。

 同会議では、児童養護施設退所者への給付型奨学金や低所得世帯向けに県外大学受験費用の支援なども行っているが、寄付金を原資としているため、減少に歯止めがかからなければ事業を縮小する恐れがあるという。ただ、23年度の事業計画では、県外大学の進学支援枠を通信制高校や専修学校まで拡大している。

 同課によると、寄付・募金額は事業開始の2016年に最高額5014万円を記録。その後は2千万円台まで減ったが、新型コロナウイルス流行直後は3千万円を超えるなど、社会貢献への関心が高まっていたという。

 ただ、長引くコロナ禍などで個人だけでなく、職場からの募金も減っているという。担当者は「社会全体の寄付活動が多岐にわたる要因もあるかもしれない。今後は、イベントと連携した広報などを通し、県民会議への寄付を呼びかけたい」と話し、事業への理解を求めた。
 (嘉陽拓也)