“空白埋める最後のピース”か 防衛省が進めてきた「南西シフト」とは


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開設され、門が開いている陸上自衛隊石垣駐屯地の正面ゲート=16日、石垣市平得大俣

 2010年の防衛大綱で方向性が示された自衛隊の「南西シフト(重視)」政策の下、防衛省は奄美、沖縄への部隊新編、移駐を10年間で進めてきた。16年に陸上自衛隊としては先島地方で初となる与那国島に駐屯地を開設し、19年の宮古島、奄美大島と続いた。今回の石垣駐屯地の開設で、防衛省が進めてきた南西諸島における部隊の「空白地域」解消の最後のピースがはまった格好となる。

 一方、22年12月に政府は南西諸島の防衛体制強化を打ち出す「安全保障関連3文書」を閣議決定。南西諸島における防衛力強化の動きは続く見込みで、陸自第15旅団の師団化や勝連分屯地への地対艦ミサイル部隊配備も予定される。

 与那国島では配備当初には説明がなかった地対空ミサイル部隊配備が突如として浮上し、配備に理解を示してきた住民からも反発の声が上がる。部隊が新設された石垣島を含め、県内では敵基地攻撃能力(反撃能力)の拠点化になりうるとの懸念も広がっている。
 (大嶺雅俊)