アテンション・エコノミー モバイルプリンスの知っとくto得トーク[299]


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モバイルプリンス

 

スマートフォンでアプリを使うときに「このアプリからの通知を許可しますか?」と確認が入るのを見たことがありませんか? 許可することでアプリからのお知らせが届くようになります。

大事なお知らせが届く一方、キャンペーンや新機能のお知らせなど不要なものが届くことも…。この通知の設定の難しさは私も頭を悩ませています。

アプリはなぜ、このようにお知らせをしてくるのでしょうか。

それは、「アテンション・エコノミー(関心経済)」という言葉を知ることで理解できるかもしれません。

 

イラスト・小谷茶(コタニティー)

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スマホアプリの多くは無料で使うことができます。アプリ企業としては、そこから何かの販売につなげる・広告を見てもらう・ユーザーの利用データを売るなどでお金を稼ぎます。

いずれにしても、アプリを使ってもらわないことには売り上げにつながらないので、私たちを引き付けるためにお知らせをします。

私たちの興味や関心がいろいろな方法でお金に変わっていくというのが「アテンション・エコノミー」なのです。

 

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こうしたアテンション・エコノミーはアプリだけでなく、SNSのインフルエンサーものみ込みます【※1】

インフルエンサーがSNSで「稼ぐ」ためには、人々から注目される必要があります。注目される技術や長所などがない人はあらゆる方法で目立とうとし、結果として「迷惑・犯罪行為」をしてしまうということですね。

アテンション・エコノミーの仕組みを知ることで、のみ込まれないようにしたいですね。

 

※1 SNSのインフルエンサーものみ込む … 14日、路上生活者の女性に嫌がらせする動画を撮影した10代2人が書類送検されたと共同通信が報じています。2人は「路上生活者の動画を投稿してSNSをバズらせたかった」と供述しているということです。一部の人は「やり方は何でもよく、目立ってアクセスを稼げればいい」という考えで、さまざまな迷惑行為をします。しかしその結果、書類送検や逮捕されたり、こうした動画がずっと残って「デジタルタトゥー」になったりします。目先のアクセス数にとらわれず、物事の善しあしを考えていきたいですね。

 

【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ 1987年、沖縄市出身。お笑い芸人・携帯電話ショップ勤務の経験を生かし、スマホ・ネット活用の方法を楽しく、わかりやすく伝える。2020年、本連載をまとめた著書「しくじりから学ぶ13歳からのスマホルール」を出版

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