性の多様性について理解を深めようと、日本郵便沖縄支社は15日、那覇市東町の同社で支社や県内の郵便局社員を対象にしたセミナーを開いた。講師は女性、男性のどちらにも当てはまらないと自認する「Xジェンダー」当事者の比嘉利加さんが務めた。「誰もが自分らしく働ける環境をつくるために、まずは性の多様性について知ろうとする気持ちが大切だ」と語り、多様な性の人がいる中で職場づくりに求められることや、接客対応で必要な配慮などについて話した。
比嘉さんは誰にでもある4つの性として(1)身体的性(生まれ持った性)(2)性自認(自分の性別をどのように捉えているか)(3)性表現(服装やしぐさなど)(4)性的指向(好きになる性別。人を好きにならない人もいる)―があるとし、これらの総称として「SOGIESC(ソジースク)」という言葉を紹介した。
その上で、独身の男性に対する「ゲイなのでは」といったうわさ話や「ホモ」「オネエ」などの言葉は、性的指向や性自認への差別的言動を指す「ソジハラ」に当たると指摘。「LGBTQ+という言葉を認識している人が多くなっても、差別やハラスメントはなくなっていない。多様な人材を確保し、誰もが働きやすい環境をつくるには、当事者の困難や差別を正しく理解した上で、職場環境が改善できるといい」と話した。
また接客するときに「奥さま」「旦那さま」ではなく「ご家族」「パートナー」に言い換えることや、車いす用トイレを「誰でもトイレ」として、どんな人でも使えるようにすることを提案。「男性・女性に当てはまらない人がいるということを念頭に置いておくことが大切だ」と語った。
(嶋岡すみれ)