知念、タイブレーク制す 犠牲フライに西平が好判断で生還 高校野球県春季大会


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 第70回県高校野球春季大会(県高野連主催、琉球新報社共催)は19日、アトムホームスタジアム宜野湾で開幕し、1回戦3試合を行った。タイブレークまでもつれ込んだ沖縄カトリックと知念の試合は延長十回に知念が9―8でサヨナラ勝ちした。エナジックは南風原に10―0の六回コールドで勝ち、読谷は8―6で那覇に勝利した。20日は2会場で1回戦5試合が行われる。

沖縄カトリック―知念 10回裏知念1死満塁、サヨナラの生還を果たす三走西平耶真人=19日、アトムホームスタジアム宜野湾

 終始、先行される展開の中、知念が終盤に追いつき、勝負はタイブレークに持ち込まれた。カトリックの攻撃を0点に抑え、迎えた知念の攻撃。1死満塁のチャンスに途中出場の伊良波翔也が打席に立った。

 凡退が続いていた伊良波に照屋拓己監督は「狙い球を明確にしなさい」と声をかけた。得意の直球に絞った伊良波は高めの狙い球を振り抜いた。

 前進守備の外野へ飛ぶも浅い。それでも三走の西平耶真人が捕球した外野手の体勢が少し崩れるのを確認。「これで点を取れないと流れが持っていかれる」と一瞬の判断でタッチアップを決意し、ホームに滑り込んだ。一塁へ走った伊良波だけでなく、ベンチからもメンバーが飛び出し、生還した西平に駆け寄り、劇的なサヨナラ勝ちを喜び合った。

 リードオフマンの西平は「ボールがよく見えていていい状態」と4安打で絶好調。照屋監督が異動のため、一緒に臨む最後の大会でもあり「先生と一緒に1試合でも多く戦いたい」と今後の活躍を誓った。
 (屋嘉部長将)


 ●沖縄カトリック タイブレークで先制できなかったことを悔しがる主将の楊明勳 (レンタルの)小禄の選手と合同練習もできて、いいチームになっていた。十回表の攻撃で1点でもとれていたら流れは変わっていた。