普天間、延長制し9-7で中部農林を下す エース国仲、チームをけん引し窮地しのぐ 高校野球県春季大会


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普天間―中部農林 勝利して仲間とタッチを交わす普天間の国仲陽志(中央)=20日、宜野湾市のアトムホームスタジアム宜野湾(小川昌宏撮影)

 第70回県高校野球春季大会(県高野連主催、琉球新報社共催)の第2日は20日、アトムホームスタジアム宜野湾と糸満市西崎球場で1回戦5試合を行った。普天間は延長十回までもつれ込み、9―7で中部農林を下した。名護は8―0で那覇国際に七回コールド勝ち、与勝は6―2で首里を破った。浦添は9―2で八重山商工に七回コールドで勝利を収めた。KBC未来は北中城に7―6で競り勝った。21日は沖縄セルラースタジアム那覇など3会場で1回戦8試合を実施する。

 普天間のエース国仲陽志がチームをけん引した。九回裏に同点に追い付かれ、なおも2死一、三塁とサヨナラのピンチの場面。「マウンドを任せてもらっている自分が抑えるしかないという強い気持ちで投げた」。三振を奪って窮地をしのいだ。

 打者によってオーバースローや横手投げを使い分ける変則の投手。直球の最速は120キロ台前半で「球速が遅いことは自覚している」。この日は変化球を織り交ぜながら投球を組み立て、4回1失点と粘投して一度、マウンドを降りた。そして九回のピンチで再登板した。「緊張で震えた」とボールが先行する。2点適時打を浴びるなど同点に追い付かれたが、逆転を許さずエースの意地を見せた。

 チームはタイブレーク制の延長十回に2点を奪い、エースを援護した。最後は国仲が無失点で切り抜けて勝利をつかんだ。次戦はシードの興南とぶつかる。国仲は「挑戦者として勝ちに行くつもりだ」と、強敵が相手でもひるむことはなかった。
 (砂川博範)

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 ●中部農林 延長の末に競り負けた主将の稲田一輝 悔しい。最後、普天間のチーム力のほうが一枚上手だった。もっと守備を固められれば勝てた。