長距離ミサイルに疑問視も 市民から批判や評価の声 自衛隊石垣駐屯地開設で住民説明会


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陸上自衛隊石垣駐屯地についての住民説明会に参加する市民ら=22日、石垣市の市民会館

 【石垣】陸上自衛隊石垣駐屯地について、石垣市と沖縄防衛局、駐屯地が住民向けに開いた説明会。会場となった約千人収容の石垣市民会館大ホールは、空席が目立った。質疑応答では市民からの質問に沖縄防衛局や駐屯地側の担当者は「具体的に決まっておりません」など歯切れの悪い返答をする場面も。市民からは「これまで丁寧に説明すると言ってきたじゃないか」と厳しい声が上がった。一方「納得できた」と説明会を評価する声もあった。

 午後6時をまわり「石垣駐屯地開設説明会」と書かれた看板の横を、親子連れや高齢者が通り会場に入って行った。

 舞台の左下に、中山義隆市長や防衛局、駐屯地の責任者らが座り、開始予定時刻通りの同6時半に説明会が始まった。

 質疑応答では、10人ほどの市民が質問した。ある男性は自衛隊配備に賛成の立場としつつ、相手基地に届く長射程ミサイルについては「賛成の人でも反対するのではないか」と疑問視した。

 防衛省側は「(石垣島からの)射程が分かると相手から対策を取られることが容易になる。報道などでいろいろ書かれているが、防衛省として明らかにしたことはない」と答えた。

 駐屯地近くに住んでいて、一貫して配備を反対している具志堅正さんは「眠っている時以外、ずっと(駐屯地のことが)頭にある。台湾有事というが、小さな島はどこにも逃げようがない。丁寧に説明しないんですか」と、はっきりしない答えに、思いをぶつけた。

 一方、賛成の市民からは駐屯地開設に伴い、自衛隊と市が協力し、「インフラ整備」を求める意見や、駐屯地の機能を強化し「住民の安全確保」を要望する声も上がった。

 説明会は駐屯地が開設した後に開かれた。「順序が逆」「アリバイ作り」などとして、説明会には参加せず、会場外から配備反対の思いを示す市民もいた。
 (照屋大哲)