県内の工業地価は前年比4.1ポイント減のプラス14.1%。地価は上がり9年連続で全国首位を維持したものの、上昇幅は縮小した。航空や海運共に貨物輸送量は増加傾向にあって需要は高まっているものの、十分な用地を確保できる工業地が少なく、コロナ下でも上昇が続いた那覇市港町や豊見城市豊崎の頭打ち感から全体として前年を下回る水準となった。
糸満市は前年比2.5ポイント減のプラス25.9%で、上昇幅は狭まったものの昨年に続き全国1位の上昇率だった。空港や港との交通アクセス向上によって引き合いを強めており、他に比べて割安感があることから、土地需要が高まっている。
豊見城市はプラス11.6%となり、前年のプラス26.5%から14.9ポイントの大幅減だった。市豊崎では需要超過が続くが、地価の上限に迫っているとみられることから上昇幅が縮小している。那覇市も前年比5.2ポイント減のプラス9.0%。高価格水準を維持しているために購入可能な事業者が限定され、需要が他へ流出している。(小波津智也)