ヒーロー姿で最後のゴミ拾い 障がい者支援「はぴわん」閉所へ 市が委託先変更 宜野湾


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最後の「感謝のごみ拾い」をしながら通りがかりの小学生たちに手伝ってもらうはぴわんの利用者たち=9日、宜野湾市内

 【宜野湾】精神障がい者の生活を支援する地域活動支援センター事業で、2015年から沖縄県宜野湾市の委託を受けて運営してきた市普天間のはぴわん(兼浜克弥施設長)が年度内で活動に幕を閉じる。県精神保健福祉会連合会(沖福連)が受託し、8年近く運営してきたが、23年度は医療法人が運営を受託することになった。利用者らは9日、仮装を楽しみながら月に一度続けてきた地域での「感謝のごみ拾い」を実施し、施設との別れを惜しんだ。

 はぴわんは精神障がいのある人たちの交流や活動、生活相談などの場として活動してきた。利用者たちは18年からは子ども食堂も開催するなど、地域との交流も積極的に試みてきた。

 ごみ拾い活動では下校中の児童と会話になることも多く、最終日の9日も児童から「手伝いますか」「ヒーロー歴とボランティア歴何年ですか」などと声をかけられた。

 2月末に市から事業の委託先を替える通知を受け、閉所に伴う作業に追われているというスタッフや利用者ら。兼浜施設長は「もっと早い時期の通知なら、落ち着いて利用者のメンタルケアもできる。合理的配慮のための期間を設けてほしいことを市には要望したい」と話した。

 利用者の名嘉将市さん(47)は「ボランティア活動で子どもたちからも名前を覚えてもらい、心地よい居場所だった。閉まるのはとても悲しい。また新たな居場所を作る」と話した。

(島袋良太)