輸送や避難先の生活に課題 住民避難の図上訓練、先島首長らが自民党の会合で報告


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住民避難の図上訓練について話し合う自民党の会合=24日、同党本部

 【東京】中山義隆石垣市長や糸数健一与那国町長、中林啓修・国士舘大准教授は24日、自民党の会合に招かれ、17日に県内で実施した住民避難の図上訓練について報告した。輸送手段を確保する難しさや避難先での生活に関する不安など課題を訴え、インフラ整備やシェルター設置を求めた。会合では今回の課題を踏まえて、実働を含めた訓練を重ねる必要性を確認した。

 前泊正人竹富町長と伊良皆光夫多良間村長はオンラインで参加した。出席者によると、首長たちからは、台湾有事となった場合に台湾から先島に避難してくる人たちの対応も考える必要があるとの意見があった。中林准教授は、避難先の生活が保障されなければ、避難をためらう人が多くなって計画が機能しないことを指摘した。

 出席者によると、首長らの話を聞いた国会議員からは、病院や介護施設にいる住民らを避難させる際の課題や、訓練で避難先とされた九州自治体の受け入れ体制を確認する必要性を指摘する声が上がった。

 政府担当者は2023年度に、シェルター設置に向けて調査研究を始めると説明した。

 一方、中山市長は24日に駐日米大使公邸でエマニュエル大使とも会談。中山市長によると、台湾有事を想定して日米安全保障体制の重要性を確認した。

 (明真南斗)