東京五輪の映画上映、何度もアプローチし喜友名さんの道場へ取材した監督「空手の物語を伝えたかった」 沖縄・那覇


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東京五輪を振り返る(左から)河瀨直美氏、佐久本嗣男氏、喜友名諒氏=26日、那覇市泉崎の琉球新報ホール(喜瀨守昭撮影)

 東京五輪の記録映像などを生かした、ドキュメンタリー映画「東京2020オリンピックSIDE:A/SIDE:B」の上映会(医療法人陽心会、沖縄海邦銀行協賛)が26日、琉球新報ホールで開かれた。「SIDE:A」の上映後に監督の河瀨直美さんと、東京五輪空手男子形の金メダリスト・喜友名諒さん、師の佐久本嗣男さんが登壇した。映画撮影から完成までの道のりなど思いを語った。

 映画を見た佐久本さんは「最高の作品だ。まず敬意を表したい」と河瀨さんに感謝した。オリンピック開幕直前、佐久本さんは喜友名さんらが稽古に集中できるようにメディアの取材を断っていた中、河瀨さんらが何度も関係者らにアプローチし道場への取材を受け入れた。

 河瀨さんは「空手の形だけでなく物語を伝えたかった。喜友名さん、佐久本さんの思いを撮るには道場に行かなければいけないと思った」と振り返った。

 決勝後に正座をして一礼した場面や、2019年に亡くなった母・紀江さんの遺影と共に表彰台に立った時の思いを質問された喜友名さんは「決勝の後、佐久本先生と一緒に日本、沖縄の空手の心を伝えるという思い。そして母に報告と、支えてくれたすべての皆さんに感謝の気持ちだった」と語った。

 「SIDE:B」上映後にはサバニで聖火を運んだ座間味村から、宮里哲村長と河瀨さんが対談した。
 (田中芳)