「国際バカロレア」17人が取得 沖尚国際文化コース3年 県外難関大に多数合格も


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 【那覇】沖縄尚学高校(末吉康徳校長)国際文化科学コースの3年生17人全員がこのほど、国際的に認められている大学入学資格の一つである「国際バカロレア(IB)・ディプロマ」を取得する快挙を成し遂げた。IB資格を活用したIB選抜入試で北海道大や筑波大、東京学芸大、岡山大などの国立大に合格した。3月1日現在、最難関クラスで3年生の山口璃紗さんが学校推薦型選抜では同校で女子初となる東京大工学部に現役合格したほか、大阪大、九州大、琉球大医学科、早稲田大、慶応大、国際基督教大など、県内外の国公立や難関私立大に多数合格している。

国際バカロレア・ディプロマを取得した国際文化科学コースの生徒ら=2月12日、沖縄尚学高校(提供)
山口 璃紗さん

 国際バカロレアの認定校である同校は、2016年度から本年度まで、80人が資格を取得した。IBディプロマは、世界共通のプログラムを2年間履修し、世界一斉に実施される試験を受験する。課題論文(英語は4千語、日本語は8千字以内)や知の理論(TOK)、創造性・活動・奉仕(CAS)などの必要用件を満たして評価を受ける。

 IB選抜試験で岡山大医学部に合格した町田芽久さんは、IBの学びについて「答えがない課題に挑戦する姿勢はIBでしか得られず、受けて良かった」と振り返り、「IBプログラムを受ける中で社会貢献する充足感も体感し、精神科の医師を目指したいと思った。医師として社会に貢献したい」と意欲を語った。

 東大に合格した山口さんは、汎用(はんよう)型ロボットを作りたいという思いで同大学を目指したと話す。祖母が曽祖母や孫の世話をし、家事に追われる姿を目の当たりにしている。「人の負担を減らす役目をするロボットを作りたい。広く人の役に立つと思う」と話し、将来を見据えている。
 (中川廣江通信員)