「沖縄・奄美」が海外富裕層誘客のモデル地区に 観光庁が選出 ツアー支援も沖縄から5事業採択


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豊かな緑に包まれたやんばるの森=国頭村内(ジャン松元撮影)

 【東京】斉藤鉄夫国土交通相は28日の閣議後会見で、インバウンド(訪日外国人客)の本格的な回復を見据え、観光庁が新たに富裕層の誘客を目指す二つの支援事業を立ち上げると発表した。国が集中的に後押しするモデル地区として「沖縄・奄美」など11地域を選出。自然、文化体験ツアーを支援する「観光再始動事業」は、沖縄から5事業が採択された。
 
 斉藤氏は会見で、新型コロナ感染拡大前の2019年のインバウンド消費額が「20年目標の8兆円に対して遠く及ばない4・8兆円にとどまる」と強調し、1回の観光での消費額が100万円以上となる高付加価値旅行者、いわゆる外国人富裕層の誘致促進を目指すとした。

 観光庁によると、モデル観光地事業には22年8~10月に62件の応募があり「沖縄・奄美」や、「伊勢志摩および周辺地域」など11地域が選ばれた。

 「沖縄・奄美」では、世界自然遺産に登録された本島北部、奄美群島の自然や、沖縄の「健康長寿の島」としての認知度を生かした観光地づくりが期待されている。23年度は調査費などとして約7億円を予算計上しており、同年度以降も5年にわたって支援する。

 観光再始動事業には全国から1千件の申請があり、139件が採択された。

 沖縄県が申請した沖縄の食文化と旅を楽しむ「琉球ガストロノミー」の関連ツアーや、民間団体が申請した8月開催のFIBAバスケットボールW杯関連事業、「拝所(ウガンジュ)」など沖縄の精神文化に触れるツアーなど5事業が採択された。

(安里洋輔)