<要旨・沖縄県議会の平和外交意見書>


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沖縄県議会

 安全保障関連3文書には、反撃能力の保有、防衛体制強化のための南西地域の空港・港湾建設等の整備・強化及び第15旅団を師団に改編すること等、沖縄の軍事的負担を強化する内容が記述されている。沖縄本島のうるま市をはじめ宮古及び八重山地域へのミサイル配備、航空自衛隊那覇基地の地下化及び沖縄市の弾薬庫建設等、本県の軍事要塞化も進んでいる。

 軍事力増強による抑止力の強化がかえって地域の緊張を高め、不測の事態が生ずる危険性が増すことへの懸念は拭えない。反撃(敵基地攻撃)能力による攻撃は、相手国からのミサイル等による報復を招くことは必至で「沖縄が再び『標的』とされる」との不安が県民の中に広がっている。

 当該3文書は、中国の対外的な姿勢や軍事動向等を国際社会の平和と安定への最大の戦略的な挑戦と位置づけ、南西諸島の軍事的機能の増強は明らかに中国を意識したものである。

 一方、日中はこれまで「日中共同声明」をはじめ、「日中平和友好条約」、「日中共同宣言」、「戦略的互恵関係の包括的推進に関する日中共同声明」及び「日中関係の改善に向けた話合い」等に基づき、平和共存の道を歩んできた。

 中国は日本にとって最大の経済パートナーで、互いに必要不可欠な関係が既に構築されていることから、日中両国は緊張緩和と信頼醸成を図り、平和構築への最大限の努力を払うべきである。

 県議会は、日本政府に対し、対話と外交による平和構築への一層の取組により、決して沖縄を再び戦場にしないよう強く求め、下記事項について強く要請する。

 1 南西地域へのミサイル配備など軍事力による抑止ではなく、外交と対話による平和の構築に積極的な役割を果たすこと。

 2 日中両国において確認された諸原則を順守し、両国間の友好関係を発展させ、平和的に問題を解決すること。