自民は反対、「本末転倒な理屈」と与党案批判 沖縄県議会の平和外交意見書


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意見書の採決に先立ち、与党側に質疑する自民会派の下地康教氏(右前)。質疑に答えるため答弁席の前列に座る与党の7氏=30日、県議会本会議場

 30日の県議会2月定例会最終本会議では、政府が安全保障関連3文書で示す防衛力強化方針に対して「外交と対話による平和構築」を重視するよう求める与党提案の意見書に対して、野党の自民会派は3文書を評価する立場から質疑や討論を通じて、反対の論陣を展開した。

 外交による緊張緩和は必要だとの考えは一致しながらも、防衛力強化は「軍拡競争につながる」とする与党と、「抑止力」として重要視する自民との間で認識の違いも浮き彫りとなった。

 与党案への反対討論で仲村家治氏(沖縄・自民)はロシアによるウクライナ侵攻に触れ、「隣国に大国がある日本がウクライナとだぶって見える」として、防衛力強化の方針を評価。与党案を「防衛力強化が沖縄を再び戦場にするとの本末転倒な理屈が展開されている」と批判した。

 質疑や討論を通じて、自民は中国の軍事強国化への懸念も指摘した。一方、意見書が日中関係に限定され、北朝鮮などに触れられていないと批判した。「軍事要塞(ようさい)化」など意見書内での表現にも疑問を呈した。

 賛成討論で渡久地修氏(共産)は南西諸島の防衛力強化に関し、戦前に日本軍が南西諸島各地に飛行場建設を進めた事例などを挙げ「沖縄戦の悲劇を引き起こした戦前の動きと全く重なって見える。県議会としても、今の危険な動きにストップをかける決意が求められている」と訴えた。
 (大嶺雅俊)