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黒田総裁最後の金融政策会合 新総裁の政策運営に注目<けいざい風水>


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 3月9~10日、日本銀行で金融政策決定会合が行われました。今回の会合は、総裁を10年間務めた黒田東彦総裁が出席する最後の会合であり、次の総裁(植田和男氏)へどのような形で引き継ぎをするのかなど、事前から注目度が高い会合となりました。

 マーケットでは、昨年12月に行われた長期金利の変動幅拡大に続くサプライズの発表があるのではないかと予想する声も一部ではありました。もっとも、大方の予想通り、現行の緩和政策の維持を全員一致により決定したことは、足元のマーケットに大きな動揺を与えることはなかったものの、今後、植田新総裁に委ねられた金融政策運営には引き続き大きな注目が集まっています。

 日銀による金融政策運営は、私たちの県民生活にも大きな影響を与えています。例えば、銀行にお金を預けることで得られる利息や、銀行からお金を借りることで支払う利息は、日銀が発行する債券(国債)の金利を判断材料の一つとして計算されるのです。

 その指標として代表的なものは新発10年国債であり、一般的に“長期金利”と呼ばれています。長期金利はこの約10年間にマイナス0・3%~1・0%程度を推移しており、この動きは上述した通り日銀の金融政策運営が大きな影響を与えています。金利が上がる、下がることによるメリット・デメリットは個人、事業者によって様々でありますが、日銀の金融政策運営によって変動する金利動向に今後も注目していきたいです。

(沖縄銀行証券国際部調査役 具志祐太郎)