音楽家の坂本龍一さん死去 辺野古新基地「自然壊して造る意義ない」 基地の集中に「差別」とも


この記事を書いた人 Avatar photo 滝本 匠
辺野古新基地の埋め立て海域の大浦湾の美しい海を船上から視察し、感想を語る坂本龍一さん=2020年、名護市辺野古沖

 音楽ユニット「イエロー・マジック・オーケストラ」(YMO)のメンバーで、世界的な音楽家の坂本龍一(さかもと・りゅういち)さんが3月28日に死去した。71歳。東京都出身。がんを公表し闘病を続けていた。
 
 所属事務所が明らかにした。葬儀は近親者で行った。

 大島渚監督の映画「戦場のメリークリスマス」に出演し、音楽も担当して英国アカデミー賞を受賞。映画「ラストエンペラー」の音楽では米アカデミーオリジナル音楽作曲賞、グラミー賞などを受賞した。

 環境問題や平和問題にも関心が深く、東日本大震災の後は脱原発運動にも参加し、積極的に発言も続けていた。

 2020年には吉永小百合さんとチャリティーコンサートin沖縄「平和のために~海とぅ詩とぅ音楽とぅ」に出演した。

 その際に辺野古新基地の埋め立て海域の大浦湾を船上から視察し「この美しい自然を壊してまで(新基地を)造る意義はない。多くの人もそう思うのではないか。埋め立て土砂投入は1%にとどまっており、まだ引き返せる」と語っていた。沖縄の民意を無視する形で工事が進む状況に対しては「この島にこれだけの基地があることが異常。本土と沖縄の間に差別があるように思えてならない」と述べた。

「てぃんさぐぬ花」を歌い終え、舞台に並ぶ坂本龍一さん(中央)と吉永小百合さん(右から3人目)、古謝美佐子さん(同2人目)=2020年、宜野湾市の沖縄コンベンションセンター劇場棟(喜瀬守昭撮影)