弾薬庫にNOの「声上げよう」 陸自の補給施設に反対の沖縄市民の会が結成


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陸上自衛隊沖縄訓練場内への弾薬庫建設反対のプラカードを掲げてガンバロー三唱する市民ら=2日、沖縄市

 【沖縄】沖縄市池原の陸上自衛隊沖縄訓練場への補給拠点施設建設に反対する「自衛隊の弾薬庫等建設に反対する沖縄市民の会」が2日、結成された。同日、沖縄市農民研修センターで結成集会が開かれ市民約380人が参加した。池原在住の市民をはじめ、嘉手納ピースアクションなど市内6団体や県議市議などの有志で構成される。

 集会では、沖縄国際大の前泊博盛教授による講演会も開かれた。「自衛隊は何から何を守っているのか―ミサイル防衛と抑止力の危険性」と題し、国民保護は自治体の役目であり、自衛隊は住民を守らないことなどを説明した。

 市民の会は、弾薬庫などの建設断念を第一の目的に、会報の発行や学習会、ミサイル写真展の開催、署名活動や街頭アピールなどを展開していく。弾薬庫建設反対の決議書を内閣総理大臣宛てに送付するほか、沖縄市長や沖縄防衛局にも手渡す予定だ。

 県政与党の島袋恵祐と仲村未央の両県議が共同代表に就任した。島袋氏は「沖縄を再び戦場にしないために声を上げていこう」とあいさつ。仲村氏は「地域、市民、子どもたちの命を守るために声を上げ、行動していきたい」と呼びかけた。

 母親の立場として登壇した宜寿次政江さん(46)は、子どものころに沖縄戦を経験した語り部から聞いた話を紹介した。焼夷弾(しょういだん)で大やけどを負ったある母親が、子どもを預かってもらおうとしたが、語り部を含め周囲に引き受ける人はいなかった。この母親を自らに重ね合わせ声を震わせた。

 集会は参加者が最後にガンバロー三唱で締めくくった。 (古川峻)