第70回県高校野球春季大会(県高野連主催、琉球新報社共催)第11日は2日、那覇市の沖縄セルラースタジアム那覇で準決勝2試合が行われた。ウェルネス沖縄が強力打線で西原を圧倒し、7―0で七回コールド勝ちを収めた。宮古は機動力を生かし、4―1で豊見城を制した。決勝は8日午後1時から同球場で行う。
宮古の先発花城駿がマウンド上で躍動した。9安打を許しながらも1失点で乗り切り、完投した。宮古は春季県大会で8年ぶり2度目の決勝進出を決めた。
奪われた得点は初回の1点のみ。1死一、三塁からスクイズを決められ先制を許し、野選もあって1死一、二塁とピンチが続いた。それでも次打者を併殺に打ち取り、追加点を許さなかった。
最速136キロの直球は九回まで球威が衰えず、相手打者を押した。直球でカウントを稼ぎ、カーブやチェンジアップなどの緩い変化球でバットを振らせることで、三振や凡打を築いた。
1日夜に平良栄二監督から先発を告げられ「めちゃくちゃ緊張した」と言う。平良監督は「今日の勝因は花城。今一番乗っている」とたたえ、期待に応える投球でチームを勝利に導いた。
攻撃面では足を使う野球で果敢に次の塁を狙った。三回に重盗からの右前打で逆転し、直後に花城がスクイズを成功させ点差を引き離すなど、好機を確実にものにした。
投打で活躍した花城は「決勝は一番大事な試合となる。勝ちきって優勝したい」と力を込めた。
(砂川博範)
<豊見城>投手陣粘投も遠い追加点 平良、気迫の公式戦初登板
守備から流れをつくり、打線をつなげて勝利をつかんできた豊見城。準決勝は初回に先制点を挙げ、投手陣が粘投した。しかし二回以降に追加点を奪えず、白星を逃した。
先発の大城蒼和(そわ)は二回に2死満塁の危機をしのいだが、三回に3安打を許し3失点した。三回まで捕手を務めた平良元希が四回から登板。五回に1点奪われたが、公式戦初登板とは思えない気迫を見せた。
選手全員がプレーヤーとして野球に臨む意識改革に取り組んできた。大城康成監督は一人一人が居残り練習に励んできた成果を誇った。決勝進出はかなわなかったが「一戦一戦成長してきた」と比嘉飛雄(ひゆう)主将。夏に向けて手応えは十分だ。
(安里周悟)