「沖縄の構造変わってない」 戯曲「カタブイ、1972」の下山プロデューサー 「悲劇喜劇」賞受賞で


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第10回ハヤカワ「悲劇喜劇」賞を代表して贈られた下山久さん(左から2人目)と名取敏行さん(同3人目)=3月31日、千代田区の早川書房

 【東京】第10回ハヤカワ「悲劇喜劇」賞(早川清文学振興財団、早川書房主催)の贈賞式が3月31日、千代田区の早川書房であった。エーシーオー沖縄と名取事務所が共同制作する3部作の第1弾「カタブイ、1972」(内藤裕子脚本・演出)が選ばれ、演劇雑誌「悲劇喜劇」にちなんだ賞牌などが贈られた。

 「カタブイ、1972」は、復帰を迎えようとする1972年の沖縄を舞台に、ある家族の物語を描く。

 賞を授与された演劇プロデューサーの下山久さんは「復帰50年、沖縄の構造的なものはちっとも変わっていない。今後も演劇を通して沖縄を発信していきたい」と話した。

 また演劇プロデューサーの名取敏行さんは「演劇の本来の仕事の一つは異を唱えることだと思っている。言い続けなくてはいけない。大きな賞をいただき後押しする力になった」と述べた。

 同賞は「選考委員と批評・評論家の劇評意欲を最も奮い立たせる優秀な演劇作品を顕彰」するのを趣旨に2013年1月に創設された。毎年1年を通じて国内で演じられた作品の中から1作品が翌年1月の選考会で選ばれる。