アジアの緊張緩和へ「地域外交室」始動 沖縄県、年内に活動方針


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1日から業務を開始した、地域外交室の玉元宏一朗室長(中央)ら=1日、県庁

 沖縄県は1日、アジア太平洋地域における緊張緩和と信頼醸成に取り組むことなどを目的に、知事公室のもとに地域外交室を立ち上げた。3日、本格的に業務を開始した。室長には前年度に県基地対策課調査班長だった玉元宏一朗氏が就いた。発足初年度は地域外交に関する万国津梁会議を設けて有識者の意見を聞き、今年中に今後の活動内容などを示す「地域外交方針」を策定する。県庁関係部署とともに、玉城デニー知事をトップとする推進本部を立ち上げることも検討している。

 台湾海峡を始め東アジアで軍事的緊張が高まっているとされる中、玉元室長は「沖縄がこれまで発信してきた平和を求める心はアジア各地の有識者からも評価されている。これらも生かしながら、平和的な対話や連携につなげたい」と意欲を語った。

 地域外交室の職員は3人。各事務所や民間団体による海外活動の取り組みを情報収集しつつ、それらを連携させることで相乗効果を生む取り組みも進めたい考えだ。

 22年度スタートした「新・沖縄21世紀ビジョン基本計画」は、アジア・太平洋地域の持続的安定に貢献するため、地域協力外交に取り組むこととしており、室の設置はその一環となる。(知念征尚)